神棚とは?
太古より、人々は人間の力ではどうする事もできない自然現象に対して神秘的な力を感じ、この力を神霊として祈り祀り始めました。今日においても、「神さま」とは、人々が健康で幸せな生活が送れるようすべての災いから身を守って下さる特別な力を持ったおそれ慎むべき存在であると考えられ祀られています。世代を越えた多くの人々が心の拠り所として、神棚を家庭や会社に設けています。
神棚の由来は古事記によると伊邪那岐命(いざなぎのみこと)が禊(みそぎ)をされたとき、左目から天照大神(あまてらすおおみかみ)が生まれ、右目から月読命(つきよのみこと)が、鼻から須佐之男命(すさのおのみこと)が生まれました。伊邪那岐命はたいそう喜ばれ、今までかけていた首飾りを、珠玉が鳴り響くまでに振り揺るがし天照大神にお授けになりました。天照大神はその首飾りを神祖の御霊代として崇め尊び、高い棚を造り安置しお祀りしました。これが今日の神棚の始まりと言われています。
この他、故人の霊を祀る場として「祖霊舎(仏壇に似たものです)」を神棚とは別に用意します。
「祖霊舎」とは、その家の先祖の霊を祀るもので、天照大神や氏神を祀っている「神棚」とは違うものです。すでに家に神棚がある場合は、神棚の方を高い場所に安置し、毎日の拝礼も神棚を優先するのがならわしとなっています。遷霊祭の後、仮霊舎に納められていた「白木の霊璽(れいじ)」を、五十日祭の忌明けをもって「祖霊舎」に移して、先祖の霊と一緒に祀ります。また、祖霊舎には「神鏡」を納めるのが正式な形です。
日本文化の幸せの基盤、神棚と生活。
古来日本では、心のよりどころとして、自然を神聖視し、自然のリズムを毎日の生活に取り入れ、家庭の平穏無事を願いました。家に神棚を祀ることにより、精神の安定や生活のリズムを得て、家庭の平和と繁栄を願って行きたいものです。
神棚を祀る場所
・その場所が最も清浄である事が一番大切で、明るく静かな部屋の高い所が良いとされます。本棚や家具の上に置いてもかまいません。
・神棚の上が、便所や廊下になる所はさけますが、マンションの場合は、一戸が独立した家屋と見ます。上の階が気になるときは、神棚の上の天井に「雲」「天」「空」などと墨書きして貼ります。
・方角は神棚から見て南向きか、東向き、或いは東南向きが良いとされてます。
お供えするもの
・毎日お供えするもの・・・神饌(しんぜん)=お米・お塩・お水
毎月1日・15日、又はお祭りのときは、お酒や海の幸・山の幸などの初物をお供えします。
・榊は枯れないうちに取り替えます。
神札(おふだ)の納め方
神棚は正面中央が最上位、次いで向かって右、次に左となっています。中央に伊勢神宮大麻、右に氏神さま、左にその他信仰する神社の神札を納めます。重ねて納める場合は、伊勢神宮大麻から順に奥に納めます。神札は毎年正月に新しくお受けします。元の神札は氏神さまに納めます。
先祖の祖霊は神棚より少し下げて、別に祀ります。
神式の日々の神拝は、感謝と報恩の気持ちをもって行いましょう。
また、季節の初物は初穂として、まず神棚に供えてからいただきましょう。
@心身を清め、お供えものをあげる。
起床後、洗顔し、手を清めて、口をすすぎます。 衣服・姿勢を正し、そして、神鏡の前に神饌(しんぜん)を供えます。神饌(しんぜん)とは、洗い米(またはご飯)、朝一番でくんだ初水、塩の3種類です。 お米と塩は白皿か土器に盛り、初水は水器に入れて供えます。
A神前で一揖(いちゆう)・二拝し、祓詞(はらえことば)を奏上する。
神前で、一度軽くおじぎ(一揖)をします。そして、二回深くおじぎ(二拝)して、その後、祓詞(もしくは略祓詞)を奏上しましょう(思うことを心で祈念しても良い)。
B神拝詞を奏上した後、二拝・二拍手・一拝する。
二拝、二拍手、一拝した後、軽くお辞儀して神前を退きます。・神拝詞を奏上しない時は、二拝、二拍手、一拝をします(にはい、にはくしゅ、いっぱい と覚えると良いでしょう。)。
時間がないときは「祓詞」と「神拝詞」の奏上を省略して、二拝・二拍手・一拝のみを行う略式でもかまいません。
お正月の準備
神棚をお祀りする際に一番大切なことは、常に清浄でなければならないことですが、同時に生命力にも溢れていなければなりません。その為、毎年正月に神札や注連縄(しめなわ)を新しくする必要があります。清浄を第一とすると共に、正月に若返られた神霊のご加護を願う伝統といえます。